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11月18日(金)
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「未知の生物を求めて」
11月18日(金)19:00〜
ゲスト:伊勢優史

 今回のゲストである伊勢優史さんは、大学院の博士過程において、海綿という世界中の海に存在する私たちの遠い祖先に繋がる生物を研究しています。
 私たちが日常生活においてこの生物のことを考える機会はなかなかありません。伊勢さんはまず、研究室から、海綿の実物を持ってきてくれました。それは私達が普段目にするスポンジでした。身の回りにある日常的なものが、実は私達にはあまりなじみのない生物であることに、観客、スタッフも含めてびっくり!
 しかし、海綿はスポンジの原料になるのはごく一部であると伊勢さんは続けます。他の海綿の実物を見せてもらうと、貝のようにごつごつしたものや、まるで美術品のように細かい構造になっているものなどあり、それと併せてスライドに映し出される海綿の姿形はまさに千差万別!
 海綿という生物を特徴づける要因は外見上の特徴ではなく、ある細胞を持っているかどうかということだそうだ。伊勢さんは生物界全体のお話とも絡めてそれを語ってくれた。人間という生き物がどれだけ生物界の中の一部にすぎなかったのかが分かり、一同、壮大な物語に巻き込まれてしまったようでした。
 次に伊勢さんは数年前に海洋生物の調査船に一ヶ月乗り込んだときの話をしてくださいました。その時に見つかった、滅多にお目にかかれない海洋生物のスライドのオンパレードに、ただただ、唖然とするばかり。それに加えて、船旅にまつわるエピソードにみんな興味深々でした。
 伊勢さん、観客、スタッフが自由に意見交換ができるとても和やかなイベントでした。伊勢さんの幅広い知識を垣間見ることによって、海洋生物、未知なる生物にそこにいた全員が思いを馳せることができたのではないでしょうか。
 日々、生活をしていると、自分の周りのものごとだけが当たり前の状況だと錯覚しがちだけれど、少し視点を変えれば、小さなものから壮大な世界が広がることがそこかしこに溢れていると思います。伊勢さんのお話を通じて、未知なる世界へちょっぴり旅ができたと感じました。
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諸橋
by bird05 | 2005-11-18 00:00 | 記録
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